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H**A
40代ですが・・・
読んでて疲れない本が欲しくて、10代の可愛い恋愛小説集かなと思って購入。失礼しました、という感じ。もっとサラ~っと読んで本棚に・・・って予定だったけど、思わず読み返したものもありました。私が特に好きな3作品について。「しあわせは子猫のかたち」 乙一乙一さんの作品ですよね?・・・ですよね?・・・って感じ。乙一さんは「夏と花火と私の死体」だけ読んで、なんとなくジメっとした作風なんだろうと勝手に決めつけていたので、この、なんだか暖かい風が心の中を通り過ぎるような文章を書いたのが乙一さんだ、というのが意外でした。多分少しスリラーなんだけど、怖くなかったです。読み返したのはこの作品です。すごく暖かい気持ちになりました。今度から、乙一さん、好き嫌いせず読みます。「植物図鑑」 有川浩若い頃特有の軽さ。軽い男女の関係じゃなく、男女の軽い関係。でも空気のようにひと時「私」のそばにいて、いなくなった男。ヘクソカズラという、色気も何もない雑草の名前を強烈に記憶させて。上司に同行して歩く街中に見つけたヘクソカズラ。その花の姿に、昔いなくなった男を一瞬思い出して、また何事もなかったかのように真夏日のアスファルトの上を、上司について歩き出す。文中にでてくる川端康成の言葉、「別れる男に花の名前を一つ教えておきなさい。花は必ず毎年咲きます。」読んだ瞬間、ほう!・・・と声を上げてしまいました。さすが文豪!若いときに教えてほしかった。ちなみにこの作品も読み返しました。「小さな故意の物語」 東野圭吾読んでグッときました。誰というのではなく、誰もが持つ10代の頃の残酷さというか、意図せず、ちょっとした悪意で軽く起こした言動が、その人と自分の一生をも狂わせてしまうかもしれないっていう、まだそれすらもわからない頃の残虐さ。東野さんって私なんかよりずっと年上の作家さんですよね?その年齢で、こんな10代の男の子と女の子の心情や、まわりの生徒の反応をリアルに描写できるって、いったいどれだけ10代を知っているのか。読んでると、自分も制服を着て、あの校舎のあっちこっちを歩き回っているような、懐かしい感覚を味わいました。東野さんって、人気だけじゃないのねって、つくづく思い知らされました。東野さん、一時でも高校生活を思い出させてくれて、ありがとう。結局、この本は私の本棚で長居することになりました。
ア**!
大人も感動する名作集
本書には、5つの短編小説が入っている。作家は、直木賞作家で人気作家の東野圭吾(初期の作品)、図書館戦争の有川浩、乙一、山田悠介、梨屋アリエである。いずれも、十代を主人公にした恋についての物語であるが、ラノベ的な爽やかな青春小説とは少し趣向を異にする。特に東野圭吾「小さな故意の物語」、乙一「しあわせは子猫のかたち」、山田悠介「黄泉の階段」の3編は広義のミステリーである。いずれも、生と死と恋心・慕情という重い文学のテーマを、殺人事件やミステリーのエンターテイメント性で上手に包み、おもしろく読みやすく描かれていて、さすが才能溢れる一流の作家の短編小説だなと息を呑んだ。個人的には、梨屋アリエ「あおぞらフレーク」、有川浩「植物図鑑」がよかった。「あおぞらフレーク」では、主人公の周りで誰かが恋をすると、空から『ほどよく甘くてミルキーなフレーク』が降ってきてそれを食べる、また、不安な気持ちが高まると、体から『踏切の警報音』を発してしまうというユニークで非現実的な現象を違和感なく用いて、『男女交際よりも恋がしたい』恋未経験の女子高生が、自らの家庭環境の心の傷と格闘しながら恋に恋する様子がほろ苦く描かれていて、気持ちを揺さぶられた。「植物図鑑」では、『へクソカズラ』という雑草の説明を会社の上司にする主人公が、その名前の由来を教えてくれたかつての同棲相手のことを想い出す物語だが、玄関に転がっていた『けっこういい男』とのある意味普通の同棲生活をおくる中で、個性的な触れ合いを通じて、主人公が女性らしい「野に咲く花」のような平凡な幸福感とそれを失った寂しさを感じている様子が優しく描かれていて、胸を突かれた思いがした。 『十代のための』と書かれているが、大人こそが読んで感動する名作ばかりである。
カ**ナ
よかったです。
有川さんの名前があったので購入。有川さんに関してはすでに読んでいましたが、一部のストーリーだけだったので再度全部読みたくなりました。他の作家さんのものもおもしろかったです。
お**ち
夏休みの宿題用
子供の夏休みの宿題用に買いました。いろいろな作家さんが入っている本です。
Trustpilot
1 month ago
3 weeks ago